船舶位置の「遅延」について

管理者の方だけでなく、現場で舵を握る船長や船員さんからも「画面上の船の位置が少し遅れている」という声をいただくことがあります。

実は仕組み上、実際に存在した位置より「約40秒」の遅延(タイムラグ)が発生する可能性があり、これは開発当初から変わっていません。

現場の実情に即した「支障のない遅延」

この40秒という設計値は、堂島川の水晶橋や寝屋川の大川口といった、見通しが悪く特に注意を要する地点での「実際の通航時間」をベースに算出されています。

船が死角から現れ目視できる時間と、boatmarkが「周辺に船がいる可能性」を知らせるタイミングを照らし合わせた結果、40秒程度の遅延であれば、船長が「そろそろ来るはずだ」と心の準備をし、安全な行き会い動作(右側通航の徹底など)に入るための手がかりとして十分に機能します。

通信やバッテリーを節約しつつ、安全面の支障を最小限に抑えるバランスのうえで設計しています。

なぜ「40秒」かかるのか?

画面に船が表示されるまでには、3つの不可欠なステップを経由します。

  • 船からの送信(約6〜7秒):端末が位置を測位し、データを送る間隔です。
  • システムによる位置補正(約2〜4秒):ビル影や橋の下で生じる測位誤差をフィルタ処理し、アイコンが陸に飛び出すなどの誤表示を防いでいます。現在、安全性を損なうことなくこの「フィルタ遅延」をさらに短縮できるよう、アルゴリズムの改良に向けた研究も継続しています。

  • 画面の更新(標準20秒):ウェブアプリが最新情報を読み込む標準的な間隔です。この更新間隔は、アプリ内の「画面設定(歯車アイコン)」から最小5秒まで短縮でき、設定次第では理論上のタイムラグを約30秒程度まで抑えることも可能です。

これらが積み重なり、画面には「少し前の過去」が映し出されます。また、二隻がすれ違う際は、お互いの送信タイミングのズレにより、さらに1船分(約8〜11秒)の遅延が加算されて見えることもあります。

「可能性」を見る、という安全

boatmarkのアイコンは、ピンポイントの現在地を保証する「海図」ではありません。あくまで「周辺に船舶が存在する可能性」を知らせるシグナルと位置付けています。

「画面に映っていないからいない」のではなく、「もうすぐそこまで来ているかもしれない」という予測のために活用してください。最後は必ず、船長自身の目視確認が安全航行の絶対条件です。

なお、ビル影や橋の下などで衛星信号(GNSS)がうまく受信できなかった場合などは、さらに表示の遅延時間が長くなることがありますのでご注意くださいますようお願いいたします。

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